「適切な」とか「ふさわしい」を表す代表的な英単語は”appropriate”と”proper”だと思いますが、この2つの区別ってできていますか?両方ともpがいっぱい入っていて、似たり寄ったりに見えますが、単語が違えばそこには意味の違いもあるものです。今日は、この2つの使い分けについてまとめてみます。
こんにちは。英語講師・英語学習コーチのHirokoです。「その先の英語学習が楽しくなる!」をモットーに、英語をがんばりたいみなさんのお手伝いをしています。
9月の英語学習会では、同じ日本語に訳されることが多いけれども実はニュアンスに違いがある言葉を取り上げました。今回はその内容から「適切な」を英語で言いたい時の使い分けについて、お届けします。
appropriate と proper
まずはこちらの英文をご覧ください。
- There is a proper way to drive a car.
(運転するのにはふさわしい方法がある) - You need to use proper English.
(君は適切な英語を使う必要がある) - There is appropriate English to answer the question.
(その質問に答えるためのふさわしい英語がある)
いかがでしょうか?これらの文は、学習会の中で例として出てきたものです。文脈なしには判断しづらいかもしれませんが、運転の方法も必要とされる英語も、「これが正解」と言える選択というイメージです。それに対して、3つ目の「その質問に答えるためのふさわしい英語」というのは、人によって答えがバラバラかもしれません。
- proper : ピタッと合う正しい選択(誰が考えても「正解」と思える)
- appropriate : 絶対的に正しいと判断されるものではなく、他にも正解になるものがあるような「ふさわしさ」
ではさらに、Sentence Dictionary online という文検索サイトより、もう少し例を引用してみます。
- Jeans are not appropriate for a formal party.
(ジーンズはフォーマルなパーティーにはふさわしくない) - Is this film appropriate for small children?
(この映画は小さい子供たちにとってふさわしいものですか?) - Everything was in its proper place.
(すべてはそれぞれの適切な場所にあった) - We should have had a proper discussion before voting.
(投票の前に適切な議論をするべきだった)
同じ「適切な・ふさわしい」という日本語でも、そこに絶対的な正しさがあるかどうかという違いを感じられましたか?
面白いのは、それぞれの語の類語を調べてみると、“proper”の類語には”correct” “real” ” genuine”という言葉が並んでいたのに対して、”appropriate”の方は”suitable”とか”relevant”という言葉が並んでいるところです。日本人の私たちにはとても混乱しやすい2つの言葉ですが、イメージや類語と一緒に頭に入れておきたいですね。
Tobira English learning clubの英語学習会は、このような言葉の深掘りをテーマにしています。
次回は11月10日(水)10時から開催の予定です。Zoomですので、どこにお住まいでもご参加いただけます。無料です。
お問い合わせは公式LINEまたは「お問い合わせフォーム」よりお気軽にどうぞ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!