英会話力を上げるための学習方法としておそらく多くの方が耳にしたことのある瞬間英作文。すでに日々トレーニングされている方も多いと思いますが、今日はこれから挑戦してみたい、という方に向けていくつかポイントをお伝えしたいと思います。練習にそれなりの時間がかかる瞬間英作文ですが、その練習をちゃんと成果に結びつけるためのポイントです😊何となく成果を感じられていない方にとってもお役に立てればうれしいです。
瞬間英作文トレーニングのポイント
その1:覚えたことを思い出して言おうとするのではなく、語順や文法を意識しながら口に出す
以下のような長めの文になればなるほど、語順や文法を理解した上で口慣らしをすることが大切です。そうしなければ、ただの丸暗記になってしまい、忘れるのも早くなります。
He has a friend who likes collecting stamps.
『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』 森沢洋介著 (ベレ出版)
彼には切手を集めるのが好きな友達がいます。
この文の場合、主なポイントは以下の通りです。
- まずは結論。⇒「彼には友達がいる」
- その友達の説明を続けるためのつなぎ言葉”who”(関係代名詞)
- 「1人の友達」なら”like”には”s”をつける。
この日本語の文からは、友達の数が1人なのか複数なのか判断できませんよね。この日本語文なら
He has some friends who like collecting stamps.
と言うこともできます。
なぜその日本語文がこの英文になるのか、文法面でよく分からないことがある場合には、まずはその文法を復習しましょう。
その2:英文の内容を自分ごとにする
テキストの文は、自分の置かれている環境や経験とリンクしていると楽しく覚えられます。地理の授業で自分の住んでいる地域や行ったことのある地域のことはスッと頭に入って決ませんでしたか?その意識を活用し、英文を自分ごとにして定着をはかりましょう。以下の英文を例に2つの方法をご提案します😊
Who’s that woman with the black glasses?
『英語のスピーキングが驚くほど上達するNOBU式トレーニング』山田暢彦著(IBCパブリッシング)
あの黒いメガネをした女性は誰ですか。
- 場面を想像し、感情を込めてその文を口に出す
この女性は気品あふれる感じなのでしょうか、それともどこか怪しさが漂っているのでしょうか(笑)また、この一言を誰に向かって、どんな場所で話しているのでしょうか。ぜひ自由に想像して、それに合わせた感情で文を口に出してください。何パターンも作ってみてください。もちろん、言う時には文字を見ないで俳優になった気分で!空想でも使用場面が頭に浮かぶことで覚えやすくなるはずです。 - 差し障りのない部分を違う言葉に変えてオリジナルの文を作る
この文の場合、ポイントは”with”で人物をより詳しく説明している、というところです。そこさえ崩さなければ、”woman”を”man”に変えても”young lady”に変えても、”the black glasses”を”the pearl earring”にしても”long hair”にしてもOKです。このように、自分オリジナルの表現に変えて練習することが定着のコツです。
オリジナルの文が正しい英語なのか気になる時には、「英作文サポート」や「個別レッスン」でお手伝いしますよ😊
その3:テキスト付属音声のスピード、抑揚、音のつながりなどをマネる
瞬間英作文のトレーニングを通して期待できることは、頭にパッと浮かんだ言いたいことを即座に適切な英語表現で言えるようになる、ということです。この時、話すスピードや抑揚にも意識を向けてみてください。英訳に気をとられてしまうと、話すスピードはゆっくりになり、抑揚は不自然になりがちです。その状態のままだと、実践に活かすことは難しいです。相手にとって聞き取りにくい英語になってしまいます。また、リスニングにおいては一般的に自分が発することのできない速さの英語は聞き取れない、と言われています。ですので、最初はゆっくり練習して確実に言えるようになることが大切ですが、最終的には最低でもテキスト音源のスピードで言えるように練習してみましょう。そのためには、オーバーラッピング、シャドーイングといった練習が効果的です。こちらの練習方法がよく分からない、聞いたことがない、という方は「個別レッスン」で実践しながらお伝えすることもできますので、ご興味ある方はお問い合わせくださいね😊
瞬間英作文のテキストの選び方
瞬間英作文のテキストっていろいろあるけれどどれがいいの?って思ったことはありませんか?
私は、「英文とその意味が書かれている」「音源がある」という条件を満たしていれば、どんなテキストも瞬間英作文に使えると思っています。大切なのはその目的です。基本文法の定着が目的なのか、特定の場所(ビジネス・旅行など)でよく使われる表現を身につけたいのか、表現の幅を広げることが目的なのかによって、使うテキストは変わってきます。
ただ、丸暗記にしないためには基本文法の定着は避けては通れません。特定の場面での表現の仕方を身につけたい場合にも、「なぜその日本語がそのような英語表現になるのか」の解説があるもの、または文法テキストとの併用をおススメします。
今回引用して使った2冊は、現在私がレッスンで使用しているものです。超有名な『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』は1つ1つの項目について徹底的に練習できる良さがありますが、一方でこのような注意書きがあります。
中学レベルの文法・文型を既に理解していることを前提にしています。各文法・文型項目についての細かな解説・説明はありません。
P.28 本書のトレーニングの仕方
ですので、中学レベルの文法があいまいな方には『英語のスピーキングが驚くほど上達するNOBU式トレーニング』をおススメします。こちらのテキストは、インプットページとアウトプットページの2段階構成のため、英文の構造をしっかり確認した上でトレーニングを進めることができます。ただ、こちらも1つ1つの文法項目に対して詳しい説明が載っているわけではないので、本当にイチからやり直したい、という方は『中学英語をもう一度ひとつひとつ分かりやすく。』(山田暢彦著・学研)で文法を確認しつつ、瞬間英作文トレーニングも取り入れてみることをおススメします。
終わりに
実は、私はずっと瞬間英作文には苦手意識を持っていました。それは「ポイントその1」でも触れたように、時には日本語の文からはその場面をはっきりとつかみ取れない時もあるし、表現の仕方は1つではないからです。でも、頭の中で英文を組み立てる練習として、そして口慣らしとして、とても効果のある学習法だと現在は思っています。
一人ではなかなか瞬間英作文トレーニングを進められない方、日頃の練習の成果を確認する場が欲しい方(誰かに定期的にテストしてもらうようにすると取り組みに力が入るはず😊)を「個別レッスン」でサポートします。ご興味のある方はお気軽にお問い合わせくださいね。